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 原子力規制委員会は8日、運転停止中の京都大の研究用原子炉(大阪府熊取町)を視察した。田中知委員は停止中の近畿大の炉も含め「審査は最終段階にある」と述べ、大学の研究炉の審査は大詰めに来たとの見方を示した。福島第一原発事故を受けて長期間停止し、学生の教育や研究に影響が出ていた。

 国内の大学の研究炉は、京大に2基(出力5千キロワットと100ワット)と、近畿大学の1基(同1ワット、大阪府東大阪市)の計3基。京大は出力100ワットの原子炉は7月、近大は9月にそれぞれ再稼働を目指す計画を立てている。

 この日、規制委は京大の2基で、新基準で強化された火災対策などを確認。田中委員によると、新たな課題は特に見つからなかったという。近畿大の炉は必要があれば視察するとした。

 福島第一原発事故で、研究炉も新基準に適合しないと動かせなくなった。両大学は2014年秋、運転再開に向けて規制委に申請したが、商用原発を運転する電力会社に比べて人員やノウハウが足りず、審査が長期化。国内で学生の運転実習ができなくなったため、近大は初めて韓国の大学の原子炉で実習を行った。田中俊一委員長が「審査の促進ということも少し考えて」と審査担当者に求めたこともあった。(小堀龍之)