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 東日本大震災の発生から11日で5年を迎える。避難生活を送る人はなお17万人以上に上り、恒久的な住まいの一つ、災害公営住宅の完成は被災3県でまだ半分にとどまる。政府が決めた集中復興期間は3月末で終わるが、被災地が日常を取り戻すのは遠い。

 警察庁は10日、震災の死者が全国で1万5894人、行方不明者は2561人と発表した。震災後の体調悪化や自殺による震災関連死は3407人(復興庁まとめ、昨年9月末時点)。岩手、宮城、福島3県のプレハブ仮設住宅に独り暮らしで、誰にもみとられず亡くなった「孤独死」は202人(警察庁まとめ、昨年末時点)に上った。

 避難者は震災発生直後の47万人から減ったものの、いまも17万4千人に上る。岩手、宮城、福島の3県で7割を占める。仮設住宅の入居戸数は3県で約5万4千戸。災害公営住宅は3県で2万9573戸の計画に対し、完成は1万4042戸と47・5%にとどまる。人手不足などで建設が遅れている。

 道路や河川堤防の復旧率が9割を超えるなどインフラ整備は進む。津波で被災した農地の74%が復旧し、主要漁港の水揚げ高は震災前の9割まで回復した。だが、主産業の水産加工業で売り上げが震災前に戻った業者は24%に過ぎない。

 東京電力福島第一原発事故による避難指示区域からの避難者は、約7万人に及ぶ。田村市と川内村の一部、楢葉町で避難指示が解除されたが、対象だった地区に帰還したのは田村市で69%、川内村で20%、楢葉町で6%にとどまる。

 被災地は人口流出も続く。被害が大きかった3県の太平洋岸と避難指示区域の計42市町村では、人口が震災前の2010年より約10万6千人減った(国勢調査速報値)。減少率は4・1%と、全国0・7%を大きく上回った。(石川智也)