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 中国のエネルギー消費量が昨年、30年間で初の減少を記録――。中国の国有石油大手が、自社でまとめた速報値をもとにこんな報告書を出した。中国が世界中の資源を大量に消費し、「爆食」とも呼ばれた構図が、転換点を迎えていた可能性がある。

 国有大手の中国石油天然ガス集団(CNPC)のシンクタンク部門の報告書によると、2015年の中国の1次エネルギー消費量は標準炭換算で42・4億トンとなり、前年を0・5%下回った。中国ではエネルギーの消費量を、石炭に換算した独自の「標準炭」という単位で表す。同社は「30年来で初の減少」としている。

 石炭使用量は3・8%減と減少幅が拡大し、電力使用量は0・8%の伸びにとどまった。エネルギーを多く使う製造業が経済減速で不振に見舞われ、省エネの取り組みも進んで消費量が抑えられたとみられる。

 翌年の後半に確定する中国政府の統計によると、中国のエネルギー消費量は1981年に減少を記録して以降、2014年まで33年連続で右肩上がりが続いてきた。ただ、14年の伸び率は2・2%で、15年はCNPCの報告書通りなら34年ぶりに減少に転じることになり、「増えたとしても伸びは1%以下にとどまる」との見方が出ている。中国のエネルギー消費が減れば、原油などの価格低迷に悩む資源国にとっては、さらなる打撃となる。

 中国政府は鉄鋼や石炭といった過剰生産が問題になっている業界で、大きく生産能力を減らす方針を打ち出している。政策が進めば、今後はさらなる抑制の要因となる。特に、環境への負担が大きい石炭の使用は大きく減る見通しだ。

 中国が地球温暖化対策で「30年ごろに二酸化炭素排出量を減少に転じさせる」とした国際公約は、大きく前倒しで達成される可能性も出てきた。(北京=斎藤徳彦)