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 【社民党】

 筆舌に尽くし難い東日本大震災および東京電力福島第一原発事故から、本日で丸5年を迎えました。犠牲となられた全ての方々のご冥福をお祈りするとともに、2500人を上回る行方不明の方々が一日も早くご家族の元に戻れますよう、心からご祈念申し上げます。

 現在も17万人以上の方々が不自由な避難生活を強いられています。避難生活の長期化や震災の精神的ショックなどで体調を崩し命を落とす「震災関連死」は3400人を超え、震災や原発事故に関連する自殺者も増え続けています。あの日から丸5年が経過しても多くの被災者が生活再建の途上にあり、将来への希望を見いだし得ない現実は、政治の怠慢と言うほかありません。

 社民党は、政治が果たさなければならない責任をいま一度深く胸に刻み、一刻も早い被災地の復旧・復興、被災者の心に寄り添った生活再建に全力を挙げることを改めて誓います。

 岩手・宮城・福島の被災3県では、鉄道や自動車道の再開・開通が進むなど、復興に一定の前進がみられる一方で、災害公営住宅や防災集団移転、土地の区画整理などの生活基盤の整備は依然、立ち遅れています。生活基盤の整備が長引く中、自治体が造成する宅地での自宅再建を断念するケースも相次いでいます。現在も3県で約6万人が暮らすプレハブ仮設住宅は、当初の使用期限(2年間)を大幅に超えて住環境が悪化し、入居者の孤独死も5年間で200人近くに及んでいます。安心して暮らせる住まいの確保は、一刻の猶予も許されません。また3県の公立学校の約4割が現在も仮校舎や他校に間借りして授業を行うなど、被災地の将来展望に欠かせない公共インフラの整備・復興もいまだ道半ばです。そして、被災3県の市町村では、復旧・復興を担う職員や医師、看護師、介護職員の不足が続いています。復興が進み人口が増える自治体がある一方で、被害の大きかった沿岸部では5年間の人口減少率が2割を超える自治体も13町村に上るなど、「復興格差」が拡大しています。

 こうした今も多くの課題を抱えている被災地の苦境を尻目に、安倍政権は震災の「集中復興期間」の延長に応じず、国が復興事業費を全額負担してきた従来の姿勢を改め被災自治体にも財政負担を求める方針に転換しました。震災被害が大きく、今後佳境を迎える事業が多い自治体ほど負担が重くなり、「復興格差」をさらに広げかねません。また、復興交付金の使い道が国土交通省など5省庁の40事業に限定されているなど、硬直化した復興予算の使い勝手の悪さも依然、改められていません。

 社民党は復旧・復興が成し遂げられるまで、被災自治体に負担を求めないよう、国の財政支援の継続・拡充を安倍政権に強く求めるとともに、復興予算の無駄づかいの一掃、被災地が真に必要とする事業に予算・資材・人材を迅速・柔軟に充当できる制度への改善を追求していきます。

 福島県内の広い範囲に除染廃棄物を詰めた膨大な数の「フレコンバッグ」が野積みされている光景は、現在進行形の東京電力福島第一原発事故の深刻さと罪深さを雄弁に物語っています。安倍政権は「居住制限区域」と「避難指示解除準備区域」の避難指示を17年3月までに解除する姿勢ですが、事故の収束がいまだ見通せない中、帰還の強制につながってはならず、被災者が自らの意思に基づき居住・避難・帰還の選択が行えるよう国の支援を定めた、「子ども・被災者支援法」の理念を十分に踏まえた、柔軟できめ細かな国の対応が欠かせません。また国や東電は、両区域住民への精神的損害賠償を17年度末に一律終了するとともに、被災した商工業者への営業損害賠償も16年度中に終える方針ですが、社民党は原発事故の被災者切り捨てを断じて許さず、事故前と同様の生活が営めるようになるまで、補償や公的支援を継続するよう強く要求していきます。

 今年2月、京都地裁は自主避難者に約3千万円を賠償するよう東電に命じる判決を出しました。自主避難者をめぐっては、昨年、安倍政権が支援法の基本方針を「避難指示区域以外から避難する状況にはない」と一方的に改め、福島県も住宅無償提供を17年3月末で打ち切る方針です。しかし、事故は「もう終わった」と言わんばかりの、帰還圧力や行政支援の先細りは論外です。「帰還」・「自立」を名目に、国や県が避難者の生殺与奪の権を握ることは許されません。どのような選択に対しても十分な生活補償を行うよう、求めていきます。

 国の追加被曝(ひばく)線量の長期目標1ミリシーベルトについて、「何の科学的根拠もない」などと放言する環境大臣の下で、住み慣れた故郷にいまだ帰れぬ約10万人の福島県民の不安に寄り添う政治など実現できるはずがありません。社民党は、安倍政権に対し、支援対象地域を、福島県内全域と年間追加被曝線量が1ミリシーベルトを上回る全地域に拡大するとともに、予防原則に基づく健診体制の改善と適用範囲の拡大、被災者の心的ストレスへのサポート体制整備や子どもたちのリフレッシュ保養の制度化、被災者の意見を幅広く施策に反映するための常設協議機関の設置などを早急に決断し、支援対象地域の内外を問わず十分な被災者支援策を確立するよう強く求めていきます。

 未曽有の被害を出し世界にも大きな衝撃を与えた東京電力福島第一原発の事故によって、原発の「安全神話」は完全に崩壊し、原発事故の恐ろしさが白日の下にさらされることとなりました。しかも、福島第一原発事故では、地震や津波の被害と原発の放射能の被害が複合・増幅し合い、「原発震災」となり、これまでの原発事故対策が全く役立たなかったことが露呈しました。その福島第一原発事故は今も収束していませんし、その原因も解明されていません。核燃料の位置や形状はいまだ不明のままで、ロボットによる内部調査も強い放射線などが障害となって進んでいません。廃炉作業もこの5年間で、目標の未達成と工程の見直しが繰り返され、計画通りに進むかどうか予断を許しません。敷地の建屋内やタンクに保管されている放射能汚染水も増え続け、その一方で、濃度を下げる作業も遅れ、処理を終えた水をどうするかも決まっていません。

 にもかかわらず、原子力ムラや財界の要求に応え、原子力を成長戦略に位置づけた安倍政権は、東京電力福島第一原子力発電所の事故が収束せず、放射性廃棄物の処理方策も確定しないまま、川内原発や高浜原発の再稼働を強行し、伊方原発などの再稼働に向けた準備を進めるとともに、海外への原発輸出に躍起になっています。新たな「安全神話」と無責任体制の復活を許してはなりません。

 東日本大震災と福島原発事故から5年、チェルノブイリ原発事故から30年。私たちは歴史的な岐路に立っています。丸5年もたち、「人間の復興」も原発事故の収束もできていない現実をかみしめ、未曽有の惨禍を教訓に、将来世代に責任を持って「原発なき未来」を引き渡すのか、欺瞞(ぎまん)に満ちた「原発安全神話」に再びしがみつくのか。社民党は被災者一人ひとりと対話を深め「人間の復興」に全力を尽くすとともに、原発再稼働を許さず「脱原発社会」の実現に邁進(まいしん)することを本日、改めて誓います。

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