安倍晋三首相は11日の参院本会議で、待機児童解消に向けた保育士不足への対策として、保育士の待遇改善の具体策を今春に示す方針を明らかにした。「保育園落ちた日本死ね!!!」と題した匿名ブログに端を発した一連の問題を受け、首相が給与面での保育士の待遇改善に踏み込んだのは初めて。

 共産党の吉良佳子氏の質問への答弁で、安倍首相は「給与を含めた待遇の問題があると認識している。今春に取りまとめる1億総活躍プランで、具体的で実効性ある待遇改善策を示し、人材を確保していく」と述べた。

 安倍首相は、9日に塩崎恭久厚労相に届けられた、保育制度の充実を求める署名を読んだことを明かし、「子供が生まれたのに保育所に預けられない、仕事を続けられないという大変なご苦労、切実な思いが伝わってきた。仕事と子育てが両立できるよう、働くお母さんの気持ちを受け止め、待機児童ゼロを必ず実現させる決意だ」と語った。

 待機児童問題をめぐっては、「保育園落ちた」の匿名のブログをきっかけに保育制度の充実を求める署名活動が広がり、6日間で2万7千人分余りが集まるなど社会問題になっている。

 政府はこれまでも、保育所の整備拡充や配置基準の見直し、ICT(情報通信技術)化による保育士の負担軽減などに取り組んできたが、対応が不十分との指摘があった。匿名ブログについて、首相が2月に「実際どうなのかというのは、匿名である以上、本当かどうか私は確かめようがない」などと答弁したことで批判がさらに強まっていた。民主党と維新の党が、保育士の給与を引き上げる法案を今国会に提出する方針を固めている。