安倍晋三首相は11日、待機児童の解消のための具体策を今春に打ち出す考えを示した。自民党も同日、対策チームを立ち上げ、月内に緊急対策をまとめる。しかし、実際に具体策を作る省庁からは「すぐに解決できる策はない」と困惑する声が上がっている。

 首相は11日の参院本会議で、共産党の吉良佳子氏の質問に答え、「待機児童ゼロを必ず実現させる決意だ」と強調。「今春に取りまとめる1億総活躍プランで実効性のある待遇の改善策を示し、人材を確保する」と述べて保育士の待遇改善に具体的に取り組む考えを示した。自民党の稲田朋美政調会長も11日、「待機児童問題等緊急対策チーム」の立ち上げを発表した。

 しかし、即効性のある具体策は乏しい。

 政府・与党では、隣り合う自治体などで保育サービスを融通し合う仕組み作りが浮上するが、勤務先の近くで子どもを預けたい場合など、居住自治体以外の認可保育所に預ける「広域利用」の仕組みはすでにある。しかも、待機児童の多い地域では機能しにくい。厚生労働省の担当者は「待機児童が多い自治体の隣の自治体の保育施設が、がら空きということはない。離れれば遠くて通えない」と話す。