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 愛知万博のあった海上(かいしょ)の森(愛知県瀬戸市)に隣接する林が市の中止勧告に反して開発された際、室町期のものとみられる窯跡(かまあと)が壊されていた。一帯は文化財保護法上の「埋蔵文化財包蔵地」だが、開発に必要な県教育委員会への届け出もされていなかった。

 名古屋市のフジ建設による林の伐採と太陽光発電施設の設置が2月に発覚した後、県と瀬戸市が立ち入り調査をしてわかった。窯跡は14世紀後半と推定される「大平(おおだいら)窯跡」。造成されたのり面から窯の壁らしき黒い焼け土が現れ、周りから陶器片も多く見つかったことで、損壊が確認された。

 瀬戸で焼き物の大量生産が始まるころのこうした窯跡は、過去に出土した茶わんなどから付近に2カ所以上あるとみられ、県教委は一帯を埋蔵文化財包蔵地に登録。発電施設の敷地内にはほかに「大平縄文遺跡」の包蔵地もある。

 フジ建設は瀬戸市に開発計画を2013年1月に提出。これらの包蔵地の掘削にあたり、市の内部協議では「調査が必要」と指摘が出た。市は同年7月に「環境万博の理念にふさわしくない」という理由で土地利用調整条例に基づき同社に中止勧告をしたが、包蔵地の説明はしなかった。

 その後に県教委に無届けで開発され、気づかなかった市は埋蔵文化財の調査をできないまま大平窯跡が壊された。同社は「手続きを怠った」としており、県教委は違法な開発と判断。事後的な届け出と、開発で露出した大平窯跡などの現状調査を求める方針だ。

 県の11日までの調査によるとフジ建設は所有地2・35ヘクタールを開発。森林法や砂防関連条例での知事の許可、土壌汚染対策法での届け出が義務づけられていたが、いずれもしていなかった。

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