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 東京電力福島第一原発事故後の福島県の県民健康調査で、小児甲状腺がんと診断された子どもたちの保護者による「311甲状腺がん家族の会」が12日、結成された。朝日新聞の取材に応じた家族らは、医師から原発事故との因果関係を否定され、手術後の再発の不安に苦しむ孤立感などを語った。

 5家族7人の結成メンバーのうち、2家族3人が福島県内で取材に応じた。福島県中通りの40代の母親は、検査・診断・手術の実施機関である県立医大の担当医が、いきなり高校生の長女本人の前でがん宣告をしたという。術前術後の体調不良についても「納得いく説明がもらえない。患者の家族同士で情報共有し、改善を求めたい」と家族会に参加した。

 別の家族の父親も、担当医が本人に突然、がん宣告し、「息子は顔面蒼白(そうはく)となり、数日立ち直れなかった」と憤る。原発事故との関係を尋ねても否定され、事故後の福島県で100人以上の小児甲状腺がんが発生している理由について「説明してほしい」と訴える。

 県立医大の担当医は取材に対し、広報コミュニケーション室を通じて「心のケアの専門家が不安や疑問を口にできる環境作りに心を砕いてきた。未成年へのがん告知はケア担当者が入り、事前に保護者と相談し、確認している」などとメールで回答した。(本田雅和)