【動画】トランプ氏の演説会場では、支持者と抗議者らでもみあいとなった=五十嵐大介撮影
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 米大統領選の共和党候補者指名争いで首位を走るトランプ氏の集会で、支持者と抗議者の衝突が激しさを増し、中断する光景が常態化しつつある。同氏は抗議者を民主党の仕業と決めつけ、サンダース上院議員を「共産主義者」呼ばわり。サンダース氏も「憎悪と分断をあおった結果だ」と批判し、党派をまたいで反発が広がっている。

 12日午後、オハイオ州クリーブランドのトランプ氏の演説会場。周辺の道路は馬に乗った警察官やパトカーが並び、物々しい空気だった。道路脇には「トランプはヒトラーの息子だ」などの看板を持った抗議者らが列をなした。

 「昨日はシカゴでちょっとした問題が起きた。憲法で保障された言論の自由が行使できなかった」。トランプ氏が切り出すと、数千人の聴衆が同調した。

 11日にシカゴで予定されていた集会は支持者と抗議者が衝突して中止。逮捕者や流血者も出た。だが、12日の演説で同氏は「(集会中止が)さらに我々の仲間を怒らせた。火曜日は圧倒的な勝利をあげる」と悪びれず、15日の予備選への意気込みを語った。反トランプ派の人々が抗議したり、「人種差別主義者」とプラカードを掲げたりして、演説は10回近くにわたり中断した。

 民主党候補のサンダース氏の支持者がいたことから、トランプ氏は中断の度に「やつらはバーニー(サンダース氏)の支持者だ。つまみ出せ」とあおった。会場からは「USA、USA」の大合唱が起き、異様な空気に包まれた。

 これまでもトランプ氏は抗議者に「ヤツの顔面にパンチしてやりたい」などと発言。実際、抗議する黒人男性を殴った白人の支持者がテレビ中継で「我々は彼を殺さなければいけない」と発言し、暴行罪で逮捕されたケースもあった。

 会場にいたトランプ氏支持者のナンシー・ラベレさん(41)は「今までこれほど興奮した候補はいない。これほど怖い人もいないが、我々には変化が必要だ」と語った。

 一方、集会場から追い出された男性は「言論の自由と言いながら、ブーイングしただけで追い出された。憎悪と不安が米国社会を分断している」と嘆いた。

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