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 肉食恐竜ティラノサウルスが大型に進化したのは、祖先の聴力がよかったからではないか――。こんな仮説の論文を英米ロのチームが近く米科学アカデミー紀要電子版に発表する。耳がいいと狩りで多くのエサを捕らえることができたと考えられる。ウズベキスタンで発見された新種恐竜の分析で明らかになった。

 新種のティムールレンギアは、脳の形などからティラノサウルス類に分類。頭部や首などの化石が、約9200万年前~9千万年前のウズベキスタンの地層から発見された。全長3メートルで、大人になる前の大きさだという。化石をCTスキャンして脳の形と内耳を復元すると、ティラノサウルス類の大型種と似ていた。低い音を伝える器官が長く、音への感度が高かった可能性がある。

 約1億年前より以前にいたティラノサウルス類は全長2~3メートルで、恐竜が絶滅した約6600万年前に近い恐竜時代末期に繁栄したティラノサウルスは12メートル前後。国立科学博物館の真鍋真・生命進化史研究グループ長は「約1億年前から約8400万年前の化石が見つかっていなかったため、大型化の過程がわかるかもしれない」と話す。

 真鍋さんは「感度の良い聴力が、(生態系の)頂点にいる肉食恐竜への進化の背景だったかも知れないとする仮説は興味深い」としている。(神田明美)