古代国家や渡来人などの研究で知られる古代史学者で、京都大名誉教授の上田正昭(うえだ・まさあき)さんが13日、京都府亀岡市の自宅で亡くなった。88歳だった。近親者で密葬を営む。

 1927年、兵庫県生まれ。京都大卒業後、高校教員や立命館大講師などを経て、京都大教授、大阪女子大(現大阪府立大)学長を歴任。アジア史学会長、世界人権問題研究センター理事長、姫路文学館長、高麗美術館長などを務めた。

 古代王権の政治制度、神話の研究のほか、人権問題にも取り組んだ。古代の活発な国際交流を説き、中国、韓国・北朝鮮などの研究者とアジア史学会を設立、「21世紀を平和の世紀に」と訴えた。

 京都府亀岡市の古社・小幡(おばた)神社の宮司も務め、「鎮守の森」の重要性を研究する社叢(しゃそう)学会も旗あげした。歌人としても知られ、2001年の宮中歌会始の召人(めしうど)も務めた。

 97年に大阪文化賞、98年に福岡アジア文化賞・学術研究賞、00年に南方熊楠(みなかたくまぐす)賞を受賞。著書に「日本神話」(毎日出版文化賞)「帰化人」「日本文化の基層研究」「私の日本古代史」など多数。