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 ブラックホールのなかでも巨大なものは、物質を吸い込む一方で、周りからガスを噴き出している。この「ジェット」が、これまで考えられていたよりも早い段階で光速近くまで加速していることを国立天文台の秦和弘・助教らのグループが観測で確かめた。強い重力をどう振り切っているのか、噴出の仕組みを解く手がかりになるという。

 東京都内で開かれていた日本天文学会で15日、発表した。

 巨大ブラックホールの周りでは、高温高圧となった物質のエネルギーなどによって、ガスが2方向に噴き出している。これまではゆっくりと噴き出し、100光年ほど進む間に加速されると考えられていた。

 研究チームは、おとめ座にあるM87銀河のブラックホールがつくる長さ5千光年のジェットに注目した。2013年から日本と韓国の電波望遠鏡7台を使って観測。ブラックホールから3~5光年と、従来の説よりも10倍以上手前の位置で光速の8割に達していることが分かった。

 秦さんは「現在の理論では足りず、もっと複雑な仕組みを持つと分かった。ジェットはブラックホールの吸い込み方に関係する可能性もあり、さらに観測を進めたい」と話す。(奥村輝)