【動画】「僕だけがいない街」 初共演の藤原竜也さん、有村架純さん対談=佐藤正人撮影

 大人気コミックを映画化した「僕だけがいない街」で、藤原竜也と有村架純が初共演した。役者として先輩後輩の2人。役に向かう姿勢やオンオフの切り替えなど、刺激し合ったようだ。

     ◇

 原作は「マンガ大賞」に3年連続ノミネートされている人気コミック。藤原竜也演じる主人公・悟が、現在と過去の二つの世界を行き来しながら、18年前の連続誘拐殺人事件の謎と真犯人に迫る。有村架純演じる愛梨は、宅配ピザ屋で働く悟のバイト仲間。愛梨は「あなたが母親殺しの犯人であるはずがない」と悟を信じて、2人で事件解決に挑む。初共演という2人だが、対談はリラックスした雰囲気で何度も笑いが漏れた。

 有村 撮影に入る前に私が抱いていた竜也さんのイメージは「ストイック」だったんです。実際そうなのかもしれませんが、人前ではそういうところは見せず、現場を和らげてくださる方でした。安心できて、私も自然と肩に力が入らずにすみました。

 藤原 架純ちゃんは、スタッフさんから愛される女優さんでしたね。照明部、撮影部、録音部、演出部とスタッフのみなさんから愛されることはすごく大事なこと。この作品では、愛梨としても架純ちゃんとしても引っ張ってもらったと思っています。悟より愛梨のほうが大変な役だったんじゃないかな。愛梨は悟が時を行ったり来たりしているのも知らないまま、戸惑いがある中で僕を信じて謎を解き明かしていく役だったから。

 有村 確かに悩んだ役ではありました。答えが見つからなくて、現場に行くたび、シーンを演じるたびに役を作っていきました。愛梨の行動をただ表現することは可能ですが、そこに気持ちが入らないといけない。その気持ちの流れをどうやって埋めていこうか、という作業が苦労したところでもあります。平川(雄一朗)監督が肉付けをしてくれたので、監督と一緒でなければできなかった。監督からは、「愛梨が一番難しいんだよ、ごめんね」と謝られちゃいました(笑)。

 藤原 架純ちゃんは思い出に残っているエピソードってある?

 有村 撮影中に台風があったじゃないですか。

 藤原 そうだね。台風直撃でかなり撮影が遅れたね。穏やかな川沿いで2人の撮影をしたのに、翌日その続きを撮ろうと現場へ行ったら川が氾濫(はんらん)していて……。

 有村 現場が消えてましたね。

 藤原 そう、同じ場所とは思えなかった。

 有村 照明部さんとかスタッフさんが一生懸命雨避(よ)けを作ってくれて。みんなでアクシデントを乗り越えた現場でした。

 藤原 それと、僕が印象に残っているのが、何者かが愛梨の家に火を放って部屋で愛梨が一人倒れているというシーン。大変だったね。屋外セットの壁も床も燃やして、スモークもたいて。

 有村 結構、熱かったです。

 藤原 30分くらいいたよ。本当に倒れているんじゃないかと思ったくらい。僕だったら3秒もいられない。さすがです。あそこで何を考えてたの?

 有村 転がっているおにぎりを見ながら「かわいそう」と(笑)。顔が煤(すす)けているようなメイクもしていて、本当に助けを待っている気分でした。

 藤原 架純ちゃんは持久力があるよね。集中力を切らさないもん。僕なんて落ち着きないしせっかちだし、その場に長くいられないクセがあるからうろちょろして。架純ちゃんは暑くても暑いと言わないし蚊に刺されてもじーっとしているし、弱音を吐かない。すごいことだと思いました。僕なんか暑くて「アッチアッチ」言ってたでしょ(笑)。

 有村 言ってました(笑)。でも、逆にすごいと思うんです。暑いとか疲れたって言ってくれることによって私も変に頑張らなくていいんだとホッとしたんですよ。スタッフさんも含めて、みんなどこかでしんどいと思う時ってあると思うんです。だれかが口に出して言ってくれることで、つらい気持ちが和らぐ。素直に言えたほうがみんなも楽なんじゃないかな。

     ◇

《ふじわら・たつや》1982年生まれ。埼玉県出身。演出家の蜷川幸雄に見いだされ、ロンドンで初舞台。以降、舞台、映画、ドラマ、CMなど幅広く活躍

《ありむら・かすみ》1993年生まれ。兵庫県出身。映画「ビリギャル」などに出演。主演ドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」がオンエア中(《「AERA」から抜粋》文・坂口さゆり(フリーランス)、写真・大嶋千尋)