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 東京電力福島第一原発の廃炉や除染などにあたる作業員約3千人が暮らす福島県広野町が、作業員宿舎の乱立を防ぐ対策に乗り出した。宿舎を建てる業者に対し、事前に建築計画を町に知らせるよう求め、必要なら説明会を開いてもらう。こうした内容の条例が15日、町議会で全会一致で可決された。

 第一原発から30キロ圏内の広野町は5年前の震災後、廃炉や除染のための拠点となった。避難先から戻った町民は全体の半数の約2400人で、作業員が町民を上回る状況が続いている。町民の間には、知らない人が多いと不安に感じるという声があり、町は「無秩序に作業員宿舎が増えると、町民が帰還をためらいかねない」と対策を考えていた。

 規制の主な対象は旅館、ホテル、アパートやプレハブ宿舎。条例では、建築主は事前に町に建築計画の概要書を出し、予定地に計画内容を示す標識を立てる。町民に求められた場合は説明会を開き、町民の意見を聴かなければならない。

 建築主がこれらの手続きをとらない場合、町は勧告や命令ができ、命令にも従わなければ建築主の名前を公表できる。町の担当者は「罰則はなく『お願い』。宿舎建設は住民の理解を得ながら進めてもらいたい」と話す。