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 米大統領選は15日、共和、民主両党とも5州で予備選を実施した。共和党では、実業家のトランプ氏(69)がフロリダ州など少なくとも3州で勝利し、大幅に獲得代議員数を増やして党指名獲得へ前進した。ルビオ上院議員(44)は地元の同州で敗北し、撤退を表明した。一方、民主党はクリントン前国務長官(68)がフロリダ州、ノースカロライナ州などで順当に勝った。

 共和党は、フロリダ、オハイオ、イリノイ、ミズーリ、ノースカロライナの計5州で予備選を、北マリアナ諸島で党員集会を実施した。

 トランプ氏は、最多得票者が州に割り当てられた代議員をすべて獲得する「勝者総取り」方式のフロリダで勝利し、99人の代議員を獲得したほか、ノースカロライナ、イリノイ両州、北マリアナ諸島でも勝利。獲得代議員数を大幅に伸ばしそうだ。

 今後は、党の指名獲得に必要な代議員総数の過半数1237人にどこまで迫れるかが焦点となる。トランプ氏阻止をもくろむ党主流派は、7月の党大会まで同氏が過半数を獲得できずに党大会決選投票となり、別の候補が指名を得るシナリオを練っているが、党大会前にトランプ氏が過半数を確保する可能性が出てきた。

 一方、ルビオ氏は地元フロリダ州で敗北。15日夜に「本日選挙戦から撤退する」と表明した。

 総取り方式のオハイオ州ではケーシック同州知事(63)が勝利して代議員66人を獲得、トランプ氏に一矢報いた。これで、独走するトランプ氏をクルーズ上院議員(45)とケーシック氏が追う構図となった。

 民主党は、共和党と同じ5州で予備選を実施。クリントン氏がフロリダ州など4州で勝利を確実にした。中西部のミズーリ州ではサンダース上院議員(74)と接戦を演じている。

 クリントン氏は、すでに同氏支持を表明している特別代議員数の約470人を加え、代議員数でサンダース氏を圧倒。党指名獲得に必要な2383人に向け、順当に駒を進めている。

 一方のサンダース氏は、ミズーリ州で大接戦を演じている。製造業や農業が盛んなオハイオ州やイリノイ州などに照準を絞り、国内産業保護のため、環太平洋経済連携協定(TPP)への反対姿勢をアピールする選挙戦を展開したが、全体的に苦戦を強いられている。

 今後は、22日にアリゾナ州予備選などが予定されているが、共和、民主両党ともペンシルベニア州など5州で一斉に予備選が行われる4月26日が次の大きなヤマ場となる。(マイアミ=佐藤武嗣)

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 《勝者総取り方式》 どのように候補別の獲得代議員数を決めるのかは、州によって異なる。共和党は候補の得票率に応じて獲得代議員数を決める「比例配分」のほか、1票でも多く取った勝者が代議員を全て獲得する「勝者総取り」がある。15日の予備選ではフロリダ、オハイオ両州などが勝者総取り。今後の予備選・党員集会でも総取りの州が増え、大差がつきやすい。一方、民主党は全州で比例配分方式を採っている。

 《共和党大会決選投票》 7月の党大会では全代議員2472人が集まって投票。1回目の投票で、大半の代議員は自分の州の予備選・党員集会の選挙結果に基づいて投票するが、過半数に到達した候補がいない場合、2回目の投票が行われる。この場合、約30州では代議員が州の選挙結果に縛られずに投票できるようになる。このため、予備選・党員集会で有利でも、この決選投票で逆転することもありうる。