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 日本郵政は16日の取締役会で、体調を崩して入院中の西室泰三社長(80)が3月末に退き、後任に取締役で子会社・ゆうちょ銀行の社長を兼ねる長門正貢(まさつぐ)氏(67)が4月1日付で就く人事を正式に決め、発表した。昨年秋に株式上場してから5カ月で、経営トップが代わることになった。

 長門氏は日本興業銀行(現みずほ銀行)出身。富士重工業やシティバンク銀行でも経営幹部を務めた。昨年5月にゆうちょの社長になり、国債が中心だった運用先の見直しを進めた。西室氏は取締役にはとどまるが、6月の株主総会で退く見通しだ。

 日本郵政株の9割弱を保有して経営権を握る政府は、当社は新社長を社外から招くことも検討した。だが、適任者が見つからず、グループの利益の大半を稼ぐゆうちょ社長の昇格で落ちついた。

 西室氏は東芝社長や東京証券取引所会長を務め、2013年6月から日本郵政社長。民主党から政権を奪還した自民党の安倍政権が、大蔵省(現財務省)出身の前社長を退任させて迎えた経緯がある。西室氏は、豪州の大手物流会社を約6千億円で買収して海外展開の足がかりを築いた。昨年11月には傘下のゆうちょ、かんぽ生命保険とともに3社同時の株式上場を成しとげた。