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 トヨタ系列の下請け会社員だった男性(当時37)の突然死は過労が原因だとして遺族が国を相手取り、労働基準監督署の労災保険不支給決定の取り消しを求めた訴訟で、名古屋地裁(田辺浩典裁判長)は16日、原告の訴えを棄却した。

 訴えたのは、トヨタ系列の下請け会社「テー・エス・シー」(横浜市)の社員として、愛知県東海市の関連工場で働いていた同県安城市の三輪敏博さんの妻香織さん(39)。訴状によると、救急車の部品組み立てなどをしていた敏博さんは2011年9月に虚血性心疾患で死去。遺族は直近1カ月の時間外労働が国の過労死認定基準の約100時間だったと労基署に訴えたが、85時間と認定され労災保険は不支給とされた。

 訴訟では、休憩時間も働き、うつ病も発症していた敏博さんには過重労働だったと主張。だが判決は、時間外労働を約85時間と認定したうえ、「特に過重な長時間労働に従事していたとは認められない」とした。

 記者会見した香織さんは控訴する方針を示し、「仕事に起因したうつ病であった点も考慮してもらえなかった。裁判官には働く人の立場で現実を見て判断してほしい」と訴えた。