親から子どもへの「貧困の連鎖」を防ぐため自治体が実施する学習支援事業について、自治体の45%が実施を予定していないことがわかった。NPO法人が調べたもので、人材や財源の不足を理由にしている自治体が多い。貧困家庭の子どもへ支援の手が届かない状況が浮かび上がっている。

 学習支援事業は経済的に苦しい家庭の子どもに無償で勉強を教え、子どもの居場所づくりをする。昨年4月に始まった生活困窮者自立支援制度で、都道府県や市など福祉事務所がある901自治体が任意で実施する事業となった。

 若者や子どもの居場所づくりを支援するNPO法人「さいたまユースサポートネット」(さいたま市)の調査に回答した479自治体のうち32・2%が学習支援事業を実施しており、20・3%が新年度に実施予定。厚生労働省の調べでは、全体の33・3%の300自治体が実施している。

 一方、ユースサポートネットの調査に「実施する予定はない」と答えた自治体は45・3%と、半数近くに上った。東京や埼玉、大阪など人口の多い都市部では実施が進む一方、山形、長野、愛媛など16県では予定も含め実施する自治体が二つ以下にとどまった。

 実施しない理由を複数回答で聞いたところ、「実施するための人員や団体が確保できない」(64・5%)が最も多く、「財源が確保できない」(45・5%)が続いた。生活保護受給世帯を対象に国が全額負担していた事業費は、昨年4月から対象が広がったものの国と自治体で折半になった。実施するかどうかの判断は自治体の財政状況の影響も大きいとみられる。

 学習支援事業は高校などへ進学させて自立を促し、経済的な苦しさが親から子どもに引き継がれる連鎖に歯止めをかける狙いがある。子どもの貧困解消を掲げる政府は、学習支援事業の充実・強化へ新年度予算案に33億円を計上した。(松本麻美)

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