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 かつては自民党本部が置かれ、田中角栄氏や中曽根康弘氏ら首相経験者が個人事務所を構えるなど、日本政治の舞台となってきた「砂防会館」(東京都千代田区平河町)が今春、老朽化のため建て替えられる。今も事務所を構える二階派(志帥会)が、現在の建物で最後の会合を開いた。

 砂防会館は1957年に完成し、自民が66年まで本部を置いた。旧田中派のほか、森喜朗元首相、青木幹雄元参院議員会長らも事務所を構えた。

 伊吹文明・元衆院議長はこの日の会合で、94年に派閥会長だった渡辺美智雄氏が当時の新生党の小沢一郎氏から、自民党離党を条件に連立内閣の首相就任を打診され、派閥内で議論したエピソードを披露。「いくつかの政治ドラマがここで繰り広げられた」と振り返った。

 取り壊しに伴い二階派は隣のビルに移転する。砂防会館で17年間を過ごした同派事務局長の永井等さん(61)は「会館は自民党の歴史そのものだった」と名残を惜しんだ。(石田耕一郎)