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 シャープの経営再建を巡り、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業との交渉が長期化している。6千億円超を投じて買収をめざす鴻海が、シャープの主力銀行と追加の金融支援などについて協議を続けているためだ。鴻海はシャープの経営状況を見極めようと2016年3月期の業績を確認したい意向で、正式契約が4月以降にずれ込む可能性もある。

 シャープの高橋興三社長ら幹部は今週、台湾に行って鴻海の郭台銘会長らと交渉した模様だ。関係者によると、鴻海は主力行側に融資の金利引き下げや新たな融資枠の設定などについて求めている。監査法人のチェックを受けたシャープの業績見通しの確認も、必要だとの立場だ。

 鴻海は買収には意欲的で、枠組みの大幅な変更は求めていないという。主力行側も、一定の支援には前向きだ。

 シャープは2月25日に、鴻海の支援受け入れを決定。すぐに正式契約を結ぼうとしていた。これに対し鴻海は、シャープで将来的に生じる恐れがある損失リストについて精査が必要だと主張。2月末の交渉期限を延長して、資産の状況などを調べていた。

 巨額資金で買収する鴻海は、経営状況を正確に把握しようとしている。シャープの15年4~12月期決算は営業損益が290億円の赤字、純損益も1083億円の赤字。主力の液晶パネルが売れていないため、足元の業績も厳しい。16年3月期の決算発表は5月ごろで、数字が固まるのを待つと契約はずれ込む。

 シャープは3月末に、主力行などが設定した5100億円の融資枠の借換期限を迎える。鴻海からの支援が決まらなければ、資金繰りが厳しくなりかねない。このためシャープ側は早期の決着をめざし、鴻海側との交渉を急いでいる。