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 17日に発表されたリオデジャネイロ五輪のマラソン代表は、日本陸連の理事会で全会一致で承認された。福士加代子(ワコール)は、トラック種目で出場した2004年アテネ五輪から4大会連続出場で、マラソンでは初。34歳で五輪本番を迎える福士は、出場すれば、女子マラソンで日本勢の歴代最年長となる。名古屋ウィメンズ日本勢トップの田中智美(第一生命)と世界選手権7位の伊藤舞(大塚製薬)は初の五輪切符をつかんだ。

 男子も選考会で結果を残した佐々木悟(旭化成)、北島寿典(安川電機)、石川末広(ホンダ)の30代の3人が順当に初の代表に選ばれた。「そわそわしていた」「身の引き締まる思い」。6人はそれぞれの思いを言葉にした。リオ五輪のマラソンは女子は8月14日、男子は閉会式のある8月21日に行われる。

■福士加代子

 福士はチームの寮がある京都市内で早朝に練習した後、日本陸連が18日に代表研修会を開く東京都内に移動した。

 記者会見は開かなかった。代わりに、チームのホームページに「リオデジャネイロオリンピック女子マラソンで、私は、金メダルが欲しいので、何があろうとあきらめずに覚悟を持って走ってきます!! 皆さん、応援よろしくお願いします!!」との談話を出した。報道各社からの会見要請を断った理由を、永山忠幸監督は「福士を守るため。競技に集中させたい」と語った。日本陸連が18日に設定する取材には応じる予定という。

■田中智美

 所属先の山下佐知子監督と東京都内で記者会見に臨んだ田中は「今やっと内定の言葉をもらえてほっとしている」。横浜国際で優勝しながら、世界選手権代表に選ばれなかった昨季の苦い記憶があるだけに、喜びもひとしおだ。

 大学までは無名選手。シドニー五輪での高橋尚子さんの走りを見て憧れた。「自分の走りを見た子どもたちが『マラソンをしたい』と思ってくれるような走りをしたい」。山下監督やこの日サプライズで会見場に現れた先輩の尾崎好美さんは、メダルには届かなかった。「2人を超えたい」と誓う。

■伊藤舞

 伊藤は東京都内の会見場で「早く内定をもらったことを最大限に生かし、当日に力いっぱい走れるように準備していきたい」と力強く語った。

 すでにリオ五輪のコースも試走した。「海岸線を走るので、強い風に負けないよう体幹を鍛えるのが課題」と分析。「メダル争いに加わるには2時間22分30秒が目標。少しでも近づけるよう練習していく」

 「五輪は一番目標にしていた最高の舞台」だ。内定後、本番までの日数が分かる携帯アプリを河野匡監督と一緒にダウンロードした。「あと150日」と気を引き締めた。

■佐々木悟

 代表発表があった東京都内のホテルで、すでに内定していた女子の伊藤と一緒に記者会見の壇上に立った佐々木は、少し緊張した面持ちだった。「喜びより、身の引き締まる思いのほうが強い」と心境を語った。

 昨年12月の福岡国際マラソンから3カ月余り。その間、東京とびわ湖の選考2レースがあったが、あまり気にならなかったといい、待つ時間も「長くは感じなかった」。福岡を走る前は引退も覚悟していた30歳は「本番は後半にペースアップすると思う。そこに対応できる体づくりが課題」と落ち着いた口調で話した。

■北島寿典

 北九州市の安川電機本社で記者会見した北島は、「周りからは、代表選出は確実と言われていたが、びわ湖以来そわそわしていた。実際に決まってこれで大舞台に立てる、という実感がわいています」と笑顔を交えて話した。五輪に向けては「中本さんの結果を超えることが目標です」と、ロンドン五輪6位入賞のチームメートの名前をあげた。

 これまで3度のマラソンは優勝2度と2位。「レース展開もいろいろある中で結果を残せた。足りない点は、しいてあげれば失敗した経験がないこと」と強気の言葉も聞かれた。

■石川末広

 石川は所属するホンダの埼玉県狭山市内の寮で、日本陸連の記者会見の動画中継をスマートフォンで見た。自分の名前が呼ばれると、数回うなずき、「涙が出そうなくらい、うれしい」。喜びをかみしめた。

 リオ五輪は、36歳11カ月で迎える。1996年アトランタ五輪の谷口浩美さんの36歳3カ月を上回り、日本勢史上最年長のマラソン代表になるが「衰えは感じていない」と胸を張る。持ち味はスタミナだ。「タイムより順位。いつも通りに練習を積んで、最低でも入賞(8位以内)はしたい」と本番を見据えた。

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