[PR]

 奨学金の貸与をしている独立行政法人・日本学生支援機構は新年度から、奨学金の返済が滞っている人の率(未返済率)を、大学や専修学校など学校別に公表すると決めた。学校側の協力も得て未返済者を減らす狙いだが、「大学のランク付けにつながる恐れがある」など反対する声も出ている。

 機構によると、昨年度末時点の未返済者は約32万8千人(未返済率9%)で、滞納額は計898億円。未返済者は年収が低い傾向があるという。学校別の公表は初めてで、大学や短大、専修学校が対象。新設校など一部は対象外とする可能性がある。担当者は「学校に現状を理解してもらい、返済の周知により力を入れてほしい」と説明する。

 一方、ある国立大の学長は「なぜ大学別に公表するのか理解できない。無用な順位付けにつながりかねない」。別の大学関係者も「率の悪い大学名を公にするのは見せしめのようなものだ」と批判する。奨学金問題に詳しい岩重佳治弁護士は「未返済率が大学を選ぶ材料になったり、誤ったイメージを抱かれたりする恐れもある」と指摘する。(貞国聖子)