養護教諭の免許を持たないまま29年間、栃木県内の五つの小中学校に勤務したとして、県教育委員会は17日、県北部の中学校養護教諭の女性(55)を採用無効にしたと発表した。初任校にかつて在籍した別の教諭の免許状の写しをコピーし、氏名や生年月日を書き換え偽造していた。

 県教委によると、女性は通信制大学で学び、1986年度の教員採用試験に免許状取得見込みで合格。しかし、必要な単位を修得できなかった。採用された87年4月、前任者らの免許状の写しを保管する書庫から別の養護教諭の写しを持ち出し、偽造していた。

 2009年度から教員免許が10年ごとの更新制となり、女性は今年度初めて手続きをする必要があった。県教委が免許状の写しが前任者の番号であることに気づき、女性は求められた原本を提出しなかった。大学で単位不足を確認し、今月11日に事情を聴くと偽造を認めたという。16日付で、採用された87年4月にさかのぼり採用無効にした。

 女性は「ずっと罪の意識を持ってきたが、言い出せなかった。信頼を裏切り、情けなくてどうして良いかわかりません」と謝罪しているという。県教委は給与の返還は求めないが、公文書偽造・行使容疑で刑事告発する方針。