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 発がん性物質「オルト―トルイジン」を扱う三星化学工業(東京)の福井県の工場で従業員ら6人が膀胱(ぼうこう)がんを発症した問題で、厚生労働省は18日、この物質が体に取り込まれたことが原因だと推定する調査結果を発表した。さらなる被害を防ぐため規制の強化を検討する。

 工場で作業を再現して調べたところ、オルト―トルイジンを扱う作業についた労働者が、この物質に汚染されたゴム手袋を着用。製品の乾燥状況も素手で確かめるなど、暴露防止策が不十分だった。労働者の尿からは高い値のオルト―トルイジンも検出された。

 厚労省はこの物質が皮膚から体内に取り込まれたことが「推察される」と指摘。過去の作業でも防毒マスクをつけなかったり、物質が含まれていたとみられる有機溶剤が皮膚に飛び散ったりしていたといい、「膀胱がんの原因がオルト―トルイジンである可能性は非常に高い」とした。

 厚労省は物質を取り扱う際の規制強化を検討する。三星は「罹患(りかん)者には適切な補償を行う」などとコメントした。化学物質を扱った可能性がある退職者数人と連絡がとれていないという。(末崎毅)

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〈おことわり〉 朝日新聞は「三星化学工業」について匿名で報じてきましたが、退職者らに会社名を周知する必要性などを考慮し、今後は実名で報道します。