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 南米最大の経済大国ブラジルのルセフ政権が窮地に追い込まれている。汚職スキャンダルや深刻な経済不況で、政権支持率は10%前後に低迷。後ろ盾であるルラ前大統領の汚職疑惑も浮上し、退陣を求めるデモは広がる一方だ。議会でもルセフ大統領の弾劾(だんがい)に向けた手続きが本格化し、8月のリオデジャネイロ五輪を前にブラジルは混迷を深めている。

 「ジルマ(ルセフ)は辞めろ! ルラも辞めろ!」。首都ブラジリアでは17日、大勢の市民が大統領府前に集まり、抗議の声を上げ続けた。最大都市サンパウロなど各地でも、国旗を掲げた市民らがデモを繰り広げた。

 ブラジルではこの日、かつて2期8年にわたり政権を握ったルラ前大統領が官房長官に就任した。中道左派の労働党政権を樹立し、在任中にサッカーのワールドカップ(W杯)や五輪の招致を実現したカリスマ的な指導者。ルセフ氏を後継に指名した人物でもあるが、ルラ氏の入閣が市民の怒りを増幅させた。

 ルラ氏を巡っては、国営石油会社ペトロブラスと与党政治家らを巡る「史上最大」の汚職事件に関与した疑いが浮上し、今月初旬に家宅捜索や事情聴取が行われたばかり。ブラジルでは閣僚の捜査や起訴には最高裁の承認が必要という「ハードル」があるため、入閣は「捜査逃れ」と映る。

 ルラ氏の就任式でルセフ氏は「入閣はブラジルのため」と強調したが、会場からは「恥ずべき事態だ」と怒声が上がり、演説が中断される場面もあった。ブラジリアとリオデジャネイロの裁判所は、捜査妨害につながるなどとしてルラ氏就任の一時停止を命じる仮処分を決定。ブラジリアの決定は上級審で取り消されたが、最高裁にも入閣の無効を求める訴えが相次いだ。

 混乱のなか、連邦議会では17日、ルセフ氏の罷免(ひめん)につながりかねない事態が進行した。昨年12月に受理されていたルセフ氏への弾劾請求を巡り、下院に弾劾の是非を検討する特別委員会が設置されたのだ。ルセフ氏は、貧困層向けの補助金などを巡る不正会計への関与が指摘されており、野党などが弾劾の必要性を強調してきた。

 今後は下院でルセフ氏側の主張…

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