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 13人が死亡、6千人超が負傷した地下鉄サリン事件から20日で21年。原因がわからないまま対応に追われた当時の病院の教訓を、どう生かすべきか。発生当日に約640人を受け入れた聖路加国際病院(東京都中央区)で、救急部の副医長だった石松伸一副院長(56)は「日頃から自治体や他病院などとの連携が重要だ」と語る。

 サリンがまかれた電車が緊急停止した築地駅から、約400メートル東にある聖路加国際病院。消防から「駅で爆発火災が発生した模様」と一報が入ったのは午前8時16分だった。だが、約20分後に救急搬送されてきた患者は、やけどもけがもしていない。焦げたにおいもしなかった。患者が次々と運ばれてきたが、何が起こったのかわからなかった。

 症状ごとに患者を振り分けていた石松副院長は、農薬中毒を疑った。だが、長野・松本サリン事件で治療にあたった信州大学医学部付属病院の当時の院長から「サリンの症状と思われます」と連絡があった。「まさか」。だが、駆けつけた自衛隊中央病院(東京都世田谷区)の医師から提供された化学兵器の資料をもとに解毒剤を使うと、効果が出た。