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 ベルギーの検察当局は18日、昨年11月のパリの同時多発テロに関連して行われたブリュッセル西部モランベーク地区の捜索で、実行犯の1人とみられ、指名手配中だったベルギー出身サラ・アブデスラム容疑者(26)を拘束したと発表した。当局は容疑者をかくまったなどとして、別の4人も拘束した。

 当局の発表などによると、アブデスラム容疑者は警察が突入した際に足を負傷し、ブリュッセル市内の病院で治療を受けている。AFP通信によると、テロに直接関与したとされる10人の中で唯一生存している容疑者が拘束され、テロの全容解明に向けた捜査が大きく進展するとみられる。

 アブデスラム容疑者はパリの同時多発テロ後、乗用車でフランスからベルギーに戻り、独南部などで目撃情報があったものの、行方は分からなかった。テロ発生から4カ月もたって出身地のモランベーク地区で拘束されたことは、欧州全体に衝撃を与えている。

 アブデスラム容疑者の兄はパリの同時多発テロで自爆し、死亡。また、テロの首謀者のアブデルアミド・アバウド容疑者(死亡)とはモランベーク地区の幼なじみで、同じ刑務所に収容されていた時期もある。テロでは中心的な役割を果たしていたとされる。

 公共放送RTBFなどによると、捜査当局は15日、ブリュッセル南西部フォレのアパートで家宅捜索を実施。その際に警察に射殺された容疑者がアブデスラム容疑者に近い人物であることが判明した。アパートのグラスから同容疑者の指紋が検出され、当局はアパートから逃走した2人の行方を追っていた。うち1人が同容疑者だった可能性があるという。

 2人が電話で当局の監視下にあった別の人物とモランベーク地区のアパートで会う約束をしていたことから捜索に踏み切り、同容疑者を含む5人を拘束した。

 ベルギーのミシェル首相は会見で「民主主義のためのテロとの戦いで、重要な成果をあげた」とアブデスラム容疑者の拘束を歓迎した。フランスのオランド大統領は、ベルギーに対し同容疑者の身柄の引き渡しを求めたことを明らかにした。(ブリュッセル=吉田美智子)

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 パリ同時多発テロ 昨年11月13日夜、パリ中心部のコンサートホールやカフェ、近郊のサッカー場などを武装集団が襲撃した。市民130人が死亡、多数が負傷。過激派組織「イスラム国」(IS)が、仏のシリア空爆への報復だとする犯行声明を出した。実行犯らは、主にフランスやベルギー出身の若者。首謀者のアブデルアミド・アバウド容疑者ら実行犯のほとんどは、犯行当日やその後の治安部隊との銃撃戦で死亡している。

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