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 認知症の人が暮らしやすい地域について、当事者の視点から考えるシンポジウムが20日、鳥取市で開かれた。認知症の人自身でつくる「日本認知症ワーキンググループ」(JDWG)などが主催。認知症の人が安心して外出できるよう、「一緒に考え、一緒に行動してほしい」とのメッセージを投げかけた。

 JDWGは、認知症の人たちが希望と尊厳を持って暮らせる地域づくりを目指し、2014年10月に設立された。この日はJDWGのメンバーのほか、認知症の人の家族、一般市民ら約500人が参加した。

 シンポジウムの冒頭、8年前に45歳でアルツハイマー型認知症と診断された藤田和子・JDWG共同代表は、来場者に向かって「皆さんと一緒に、どう社会をつくっていったら、より良くなるのかを、考えていきたい」とあいさつ。

 「認知症の人の外出」をテーマにした議論では、認知症と診断されると、家族から「1人で出かけないで」と言われるケースが多いという報告があった。メンバーの丹野智文さんは、「家族は心配しがちだが、バスを乗り過ごすみたいな失敗は笑って見逃して。そうすると、本人も穏やかに過ごせる」と発言。さらに、特に知らない街に行くときなど、「(一緒に活動する)パートナーがいるといい。一緒に楽しめて、自分ができないことだけサポートしてくれるような人だと安心できる」と語った。

 また、「『徘徊(はいかい)』という言葉をなくしては」という提案もあった。藤田さんは「私たちも目的を持って外出している。みなさんと一緒です、と言いたい」。

 鳥取県認知症疾患医療センターの渡辺憲センター長も、「認知症の方は目的を持って外出し、道に迷う。『徘徊(はいかい)』は誤解を受けやすい言葉。直していかないといけないと思う」と述べた。

 外出に関してJDWGは、2月末に公表した「認知症の本人からの提案」のなかでも、「私たちが外出することを過剰に危険視して監視や制止をしないで」「ひとりひとりにあった見守りや必要な支えについて、一緒に考えていこう」などと呼びかけている。(友野賀世)