[PR]

 27日投開票の熊本県知事選は、参院選を控えた各政党の対応の違いが鮮明だ。自民が公明とともに現職を全面支援し、共産も新顔の弁護士の支援に力を注ぐのに対し、自主投票で臨んだ民主、維新は、民進党の結党や与野党対決をアピールする動きができないまま、選挙戦終盤を迎えている。

 知事選で争う新顔で弁護士の寺内大介氏(50)、3選をめざす現職の蒲島郁夫氏(69)、新顔で前熊本市長の幸山政史氏(50)はいずれも無所属で、公認も推薦も政党に求めなかった。

 だが、告示後に特に目立つのは、蒲島氏への「公認以上の支援」を掲げる自民の動きだ。選対の核となって遊説日程を組み、国会議員が同行する参院選並みの態勢をとる。21日には熊本市での決起大会に石破茂地方創生相が駆け付けた。

 石破氏は熊本への地方創生関連の交付金の額が全国でも上位だとし、「安倍政権も全面的に支える」と強調した。県選出国会議員の一人は参院選を念頭に、「知事選で圧勝し、4月に北海道5区の衆院補選で勝って、野党の戦意を喪失させる」と意気込む。

 参院選熊本選挙区(改選数1)では、3選を狙う自民現職に対抗し、民主、維新、共産、社民などが全国で最も早く、野党統一候補として女性弁護士を擁立した。

 共産は知事選で、自民との対決姿勢をとり、安保法制廃止も掲げる寺内氏を支援し、参院選につなげる狙いだ。20日に応援に入った真島省三衆院議員(比例九州)は「野党共闘が熊本から全国に広がっている。違いを認識し、力を合わせよう」と訴えた。

 前回知事選で自民などと相乗りで蒲島氏を支援した民主も今回は、参院選での与野党対決を強く意識して自主投票を決めた。維新、社民も自主投票だ。

 ただ、民主の足元では、最大の支持組織の連合が蒲島氏を推薦。県議会会派も蒲島氏の支援に回った。ちょうど投開票の27日に維新と合流する民進党の結党大会を迎えるが、知事選で存在感を示すことは難しい状況だ。党県連の鎌田聡代表は「終わり次第、民進党として衆参ダブル選を視野に動き出す」と話す。

 維新はもともと、党代表の松野頼久氏が地盤とする熊本市で市長を3期務めた幸山氏と関係が深い。だが、幸山氏は今回、「草の根」を強調し、政党と一定の距離をとる。さらに民進党結党後は連携することになる連合が蒲島氏を推薦したこともあり、やはり知事選は静観の構えだ。