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 キューバを訪問中のオバマ米大統領は21日、首都ハバナの革命宮殿でラウル・カストロ国家評議会議長と会談し、米企業の進出や人的交流を進めていくことで一致した。一方、キューバの人権状況の改善や民主化をめぐっては「極めて深刻な相違」(オバマ氏)があり、溝は埋まらなかった。

 革命宮殿で出迎えたカストロ氏は、オバマ氏と笑顔で握手。歓迎式典に続いて約2時間半にわたり会談した。両者は、米国人のキューバへの渡航制限の緩和のほか、環境や海洋の保護、農業の分野で協力することで一致。キューバにおける米企業のインターネット関連の投資制限を撤廃することでも合意した。

 会談後の共同記者会見でオバマ氏は、現職の米大統領として88年ぶりとなる今回の訪問を、両国にとって「新たな日」になると強調。来年1月に発足する米国の新政権でも、正常化に向けた動きを進めるべきだとの考えを示した。

 カストロ氏も米側が「制裁緩和をしてくれた」と応じ、医療や環境分野での両国の協力が進んでいることを評価した。その上で、経済制裁が協力の障害となっているとして、禁輸措置の全面解除を求めた。

 一方、オバマ氏は米国として「言論や宗教の自由を含む人権については各国に対して意見を言っていく」と明言した。同時に「キューバの未来は、キューバ人自らが決めるべきだ」とも指摘し、キューバ側に人権問題の改善や民主化を進めていくように求めた。

 これに対してカストロ氏は「すべての分野で人権を尊重している国はどこにもない」と反論し、対テロ戦収容所のあるグアンタナモ米軍基地の返還を要求した。さらに、「キューバ人が自ら選んだ主義をやめることはない」とも述べ、社会主義体制を堅持していくと改めて強調した。(ハバナ=峯村健司、平山亜理)

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■米キューバ首脳会談の骨子

・両国の立場の違いを認めつつ、人の交流、ビジネスの拡大を目指す

・キューバにおける米企業のインターネット関連の投資制限を撤廃する

・農業分野で生産性や食の安全などの共同研究、情報交換を進める

・年内に人権対話を開催。米国は今後も表現や宗教の自由などの重要性を訴え続ける

・キューバは、米に禁輸措置の解除とグアンタナモ基地の返還を求める

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