[PR]

 2007年に石室ごと取り出され、10年計画で修理が進む奈良県明日香村の高松塚古墳(特別史跡、7世紀末~8世紀初め)の極彩色壁画(国宝)について、文化庁の「古墳壁画の保存活用に関する検討会」(座長=和田晴吾・兵庫県立考古博物館館長、21人)は22日、修理後の壁画を保存・公開する施設を古墳近くに整備することを決めた。

 「飛鳥美人」(西壁女子群像)や方角の守護神「四神(しじん)」で知られる壁画はカビなどで劣化したため、07年に石室ごと取り外され、現在、村内の仮設施設で17年ごろの完了に向けて修理中。文化庁は14年、カビの再発防止などの技術が確立されていないことから、修理完了後の壁画について「当分の間」という条件つきで古墳外で保存することを決定。昨年12月の検討会で森川裕一村長が、「墳丘と一体感のある歴史展示を造ってほしい」と古墳周辺での施設整備を求めていた。

 この日の検討会は、墳丘と石室、壁画を可能な限り近い所で一体的に保存・公開すべきだとする基本的な方向性で一致。施設の具体的な場所や規模などは、16年度以降に議論する。

 一方、同じ明日香村のキトラ古墳(特別史跡、7世紀末~8世紀初め)の極彩色壁画も、劣化のために石室からはぎ取られ、村内の仮設施設で修理が進む。修理後は、今年秋に古墳そばに完成予定の「キトラ古墳壁画体験館 四神の館」で保存・公開の予定で、検討会委員から「二つの古墳壁画の保存・公開施設をリンクさせるべきだ」「中学生も専門家も学べる研究・教育機能も持たせるべきだ」との意見も出た。(塚本和人)