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 沖縄県豊見城(とみぐすく)市で昨年10月に小学4年の男児が自殺した問題で、市教育委員会が設置した第三者委員会の会合が23日開かれ、男児の両親が出席して真相解明を訴えた。昨年11月設置の第三者委は当初、今年度内に調査を終える予定だったが、調査内容を巡り市教委と意見の相違が生じるなどして、今年2月に第三者委の全5人の委員が辞任する事態となった。両親は調査の遅れを懸念している。

 会合は非公開。男児の両親らによると、会議前の冒頭に「息子に何が起きたのか、なぜ命を絶たなければならなかったのか、真実が知りたい」などと訴えたという。このほか、第三者委の議事録を遺族に随時開示することや、第三者委の独立性を保つため、事務局機能以外に市や市教委が関与しないことなどを求めたという。

 両親は昨年12月、旧委員による第三者委でも意見を述べていた。調査の遅れについて、両親は取材に対し「年度が替われば先生も異動でいなくなる。どんどん調査が難しくなる」と懸念を示した。

 男児は昨年10月に自宅で首をつって自殺を図り、その後、死亡した。同年9月に学校が実施したいじめに関するアンケートで、男児は「いつもいじわるされている」などと記していた。

 市教委によると、昨年11月設置の第三者委には、いじめの有無の判断と再発防止策を諮問した。しかし、今年1月に男児の自殺が報じられ、いじめの有無に限らず広く自殺の背景を調べることになった。このため委員からは「話が違う」との意見が出て、2月に全員が辞任。自殺の報道後、市教委が第三者委と調整せずに記者会見したことで、「(委員に)不信感を与えた」(照屋堅二教育長)ことも背景にあるという。

 市教委は新たな専門家5人を委員に選び直し、3月2日に初会合を開き、自殺の背景調査などを諮問した。しかし、今年度中に終わらせる予定だった調査が約1カ月間ストップする事態となっていた。

 市教委は、自殺につながるいじめがあったかを調べる児童への記名式アンケートを計画していたが、保護者からの反発で実施を見合わせている。このアンケート実施についても、第三者委の判断に委ねるという。(上遠野郷、渡辺純子)