[PR]

 三井物産は23日、2016年3月期の純損益が700億円の赤字になりそうだと発表した。資源価格の低迷で事業の採算性を見直し、損失を計上するためで、2月時点での1900億円の黒字予想を下方修正した。戦後の財閥解体でいまの三井物産ができた1947年以降で、赤字は初めてという。

 損失を出すのは、チリの銅事業で約1150億円、開発計画が遅れているオーストラリアの液化天然ガス(LNG)事業で400億円、ブラジルの資源投資で約350億円などだ。資源を大量に消費してきた中国の成長率が鈍り、石炭や銅、原油などの国際価格が想定以上に下落し、事業の前提に置いた販売価格などを下げざるをえなくなった。約2年前から国際会計基準を取り入れ、時価評価が厳しくなったことも、赤字がかさんだ背景という。

 三井物産は、14年3月期に資源でのもうけが84%を占め、依存度が高い。初の赤字転落について、安永竜夫社長は記者会見で、「資源事業の規模がひと昔前より圧倒的に大きくなった。残念ながら非資源事業でカバーするには(損失が)大きすぎた」と話した。今後は、鉄鉱石やLNGなど同社の存在感が市場で相対的に大きいものへの投資を優先させる方針という。

 商社業界では、住友商事もマダガスカルのニッケルなどで1700億円の損失を16年3月期決算に出す見通し。三菱商事も資源事業の採算性を「精査している」(広報)という。

こんなニュースも