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 過激派組織「イスラム国」(IS)は22日夜、ベルギー連続テロの犯行声明をインターネット上に公表し、「ISとその人民への戦争をやめない十字軍のベルギーを狙った」などと主張した。さらに、対IS空爆に加わる欧米諸国を念頭に「暗黒の日々を約束する。より破壊的で激しいものになる」とさらなる攻撃を予告した。

 ベルギーを狙った理由として指摘されているのは、イスラム過激派とブリュッセルの関係だ。過激派にとってブリュッセルは欧州の「拠点」だったが、パリ同時テロの実行犯とされるサラ・アブデスラム容疑者(26)が拘束されるなど、当局の監視も厳しくなっていた。ISは、潜伏する関係者が摘発される前に事件を起こそうと、今回のテロに及んだ可能性がある。

 近東湾岸軍事分析研究所(ドバイ)のリヤド・カフワジ所長は、ISが「欧州連合(EU)本部に近い地下鉄駅を、ISと敵対する欧州の象徴として意図的に狙ったのは明白だ。ISは欧米による空爆を嫌がり、戦意をそぎたいと考えている」と指摘する。

 2014年に突如台頭したISだが、昨年はイラクで中部ティクリート、北部シンジャル、西部ラマディなどの主要拠点を失った。シリアでも、ロシア軍の空爆を味方に付けたアサド政権軍に押されている。脱走するIS戦闘員も増えたとも報じられている。支配地域の縮小に伴って目立つのが、市民の無差別殺傷を狙った自爆攻撃だ。

 カフワジ氏によると、ベルギーからは約300人がISに加わったとされ、一部はすでに帰国した。「彼らはベルギー育ちで国のシステムや地理に明るく、テロを実行する技術も持ち合わせている」と話す。(ドバイ=渡辺淳基)