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 欧州連合(EU)の本部があり厳戒態勢が敷かれてきたブリュッセルを、連続テロの惨劇が襲った。自爆した実行犯とパリ同時多発テロの容疑者らとのつながりが浮かぶ中、過激派グループの拠点とされるブリュッセル西部モランベーク地区に記者が入った。相次ぐテロで、移民系住民は偏見や差別が強まるのではないかと不安を募らせている。

 ベルギーの連続テロが起きた22日夜、首都ブリュッセル西部のモランベーク地区は閑散としていた。昨年11月のパリ同時多発テロの実行犯とみられているサラ・アブデスラム容疑者(26)や首謀者のアブデルアミド・アバウド容疑者(死亡)の出身地だ。18日には、アブデスラム容疑者が同地区で拘束された。地元メディアによると、今回、空港で自爆した実行犯はこの2人と関係がある人物だったとみられている。

 同地区中心部に住むモロッコ系エンジニアのハムザさん(25)は、爆発があったマルベーク駅を通勤で利用している。テロはハムザさんが通過した15分後に起きた。「イスラム教は人を傷つけることを禁じている。こんなことを起こすなんて信じられない。また地区のイメージが悪くなる」

 モロッコ系の警備員モハメドさん(33)は、アブデスラム容疑者らの幼い頃をよく知っている。「その辺の若者と何も変わらない。失業や差別など色々な問題はあり、社会に憎悪を募らせたのだろうが、テロという手段は間違っている」と話した。

 同地区は住民の8割以上がモロッコ系などの移民とされ、若者の4割が失業している。ベルギー全体でも、移民や移民家庭出身の若者の失業率は高く、経済協力開発機構(OECD)によると、学校にも通わず、就職もしていない若者(15~34歳)の割合は、移民系でない若者の2倍だ。