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 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設計画をめぐり、中谷元・防衛相は26日、名護市長や辺野古周辺の3地区(久辺〈くべ〉3区)の住民らと会談した。政府は移設計画をめぐる県との和解成立後も、反対する県市と住民の「分断」を誘うような姿勢を示しており、地元には警戒感も漂っている。

 中谷氏は26日夕、沖縄本島北部のホテルで、名護市の辺野古、豊原、久志(くし)の久辺3区の区長と会談した。3月4日に移設計画を巡る訴訟で政府と県が和解して以来、担当閣僚として初めて沖縄を訪れた。「顔と顔を合わせて意見をうかがい、地元の要望に一つ一つ応えて、地域の発展のために努力したい」と語り、対話姿勢をアピールした。

 政府は昨年、久辺3区に対し、県や市の頭越しに支出できる補助金を新設した。「地元への迷惑料」(政府高官)との位置付けで、計3900万円の満額交付を決めた。新年度予算案には、さらに手厚い計7800万円を計上。久辺3区側は、交付される補助金で防災備蓄倉庫や休憩小屋などを造る予定だ。嘉陽宗克・辺野古区長は会談で、補助金に謝意を示しつつ、「国と県が対立しているのは困る。この機会にしっかりと話して」と要望した。

 その直後、中谷氏は同じホテルで名護市の稲嶺進市長と会った。しかし3区長との会談とは一転して、厳しい応酬が続いた。

 中谷氏は「一番大事なのは普天間飛行場周辺の方々の危険性や不安の除去だ」と述べ、和解後も「辺野古が唯一の解決策」とする政府の立場に理解を求めた。これに対し、稲嶺氏は「危険性は辺野古に移ってきても同じだ」と移設反対の立場を改めて強調。会談は平行線に終わった。

 政府と県市は当面協議を続ける方向だが、閣僚との面談や補助金継続で地元を懐柔する政府の姿勢からは、県市と住民の間にクサビを打つ思惑も透ける。

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