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 鹿児島市で2008年、無理心中を図り母親を殺害した疑いがある60代の息子について、鹿児島県警が昨年までの7年間、捜査をせずに放置していたことが分かった。県警は28日、当時鹿児島中央署刑事1課長だった警視(52)や捜査員ら4人を本部長訓戒などの処分にし、発表した。

 監察課などによると、08年11月8日、鹿児島市内の集合住宅に住んでいた80代の女性がロープで首を絞められ、病院に運ばれたが3日後に死亡。当時50代だった同居の息子が包丁で自分の胸を刺し、入院した。

 当時の調べに息子が「無理心中するつもりで母親の首を絞めた」との趣旨の話をしたことから、署は回復を待って殺人容疑で捜査する方針だった。しかし、警視らは約7カ月間の入院中に他の事件の捜査で多忙になり、放置。書類の作成や引き継ぎを怠ったという。

 昨年10月、県警が未解決事件の捜査状況を調べたところ、この事件を捜査していなかったことが判明。捜査を再開し、今月28日に息子を殺人の疑いで書類送検した。「病気の母の介護に疲れた」と供述しているという。

 県警は、捜査を担当した刑事1課の課長だった警視を本部長訓戒、直接担当した警部補を本部長注意、捜査に関わった別の警部補と巡査部長を所属長注意の処分にした。有馬晋作・首席監察官は「捜査が遅れたことは誠に遺憾。申し訳なく思っている。再発防止に努めたい」とコメントした。県警は警視らの氏名や現在の所属を公表しなかった。県警は「警察内部の問題であり、名前を公表すれば個人のプライバシーの侵害にあたる」と説明している。