大量の電気を蓄えられるフッ素と金属の化合物を電極に使うことで、現在のリチウムイオン電池を超える性能の新型電池を開発したと、京都大学などの研究チームが28日発表した。繰り返し充放電できる耐久性を高め、将来的に小型・大容量電池の実用化を目指す。

 研究チームによると、新型電池は正極から負極側にフッ化物イオンを流して電気を取り出す。現在広く使われているリチウムイオン電池は、逆の負極から正極側に、リチウムイオンを流して電気を取り出すしくみだ。

 これまで、電極の材料には使えないと考えられていたフッ素と金属の化合物を使ったのが特徴だという。実験レベルでは、電池性能を示すエネルギー密度が電池の重さ1キログラムあたり398ワット時を記録。リチウムイオン電池の到達可能な最大値と考えられる同約300ワット時を超えたという。

 研究は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が2009年度から始めた国家プロジェクトの一環。東北大や九州大など13大学、トヨタやソニーなど13社、4機関が加わる。研究チームを率いる小久見善八京大名誉教授は「電気自動車などの電源として、エネルギー・環境問題の解決に貢献することが期待される」と話している。(小堀龍之)