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 一回に8点を失っても、五回終了時点で0―15という大差をつけられても、他の投手がブルペンで準備をすることはなかった。

 大会第8日の2回戦で、秀岳館(熊本)に0―16という大敗を喫した南陽工(山口)だ。「エースへの信頼と期待」と山崎監督は説明した。「せっかくいただいた舞台。夏に向かって成長の舞台にしたかった」

 マウンドの重冨は、黙々と投げ続けた。一回の大量失点には味方の失策もからんだ。「気持ちが切れてしまった」。そんな自分が許せなかった。「後輩に終盤を任すわけにはいかない」という思いもあった。六~八回は1失点。気高さすら感じさせた背番号「1」を、甲子園の観衆は大きな拍手でねぎらった。