建物の揺れを抑える免震ゴムの性能偽装が発覚した東洋ゴム工業が30日、大阪市の本社で株主総会を開いた。清水隆史社長はこの問題で同社が大阪府警の家宅捜索を受けたことに触れ、「皆さまに多大なご心配とご迷惑をおかけしていることを、心より深くおわび申し上げます」と陳謝した。

 総会は午前10時から約1時間40分で終了。110人の株主が出席した。京都市の男性株主(69)は会場に入る際、「社内の意思疎通やチェック態勢に問題があったのではないか。本来は旧経営陣の責任を追及すべきで、早く新しい運営態勢に変えてもらいたい」と話した。大阪府茨木市の男性株主(69)は総会後、「歴代社長に損害賠償を求めるべきだと質問したが、はっきりした答えはなかった。もっと問題解決に前向きに取り組んでほしい」と憤った。

 東洋ゴムは1996年以降、性能に問題のある免震ゴム製品を154棟の建物に納入した。今年2月、大阪府枚方市の枚方寝屋川消防組合の新本部庁舎への納入を巡り、枚方市議が不正競争防止法違反(虚偽表示)の疑いで大阪地検に告発状を提出。大阪府警も告発状を受理し、本社など4カ所を今月に家宅捜索した。

 東洋ゴムは15年12月期決算で、免震ゴムの交換費用などで約500億円の特別損失を計上し、純利益が94・6%減の16億円となった。