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 東京都による「新銀行東京」への出資金が「銀行のずさんな経営で回収不能になった」として、都民3人が計画を推進した石原慎太郎元知事と旧経営陣ら計5人に対し、1255億円の損害賠償を請求するよう都に求めた住民訴訟の判決が30日、東京地裁であった。舘内比佐志裁判長は、原告の請求を棄却した。

 同行は、石原元知事時代の2005年に、都が1千億円を出資して開業した。中小企業の支援が目的だったが、ずさんな融資などで経営が悪化。都は08年に400億円の追加出資を余儀なくされ、累積赤字の相殺のために資本金を取り崩したため、出資分のうち855億円を失った。

 訴状で原告側は、都の追加出資400億円について「出資を決めた時点で回収の見込みがなかった」と主張。都の損害は取り崩し分の855億円と合わせて1255億円に上っており、石原元都知事らが「重大な欠陥のある経営計画を自ら作成し、銀行に強制したためだ」と訴えた。開業時の代表執行役らも「適切な対策を講じなかった責任がある」として賠償するべきだとしている。

 同行は昨年、地銀グループの東京TYフィナンシャルグループと経営統合することで合意した。都が追加出資した400億円は、東京TYが統合後15年以内に都に返還するという。(千葉雄高)