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 なぜ当たり前のことができないんだ――。那覇市のコピーライター平岡禎之さん(56)はかつて、よく子どもを怒鳴って叱ったといいます。妻と4人の子どもが発達障害で、得手不得手は凸凹(でこぼこ)。トラブル続きの家族は、「知ること」で大きく変わりました。

 平岡さんの家ではホワイトボードに、夕飯作り、皿洗いなどと書かれた磁石のシートがたくさん貼られ、一つ終える度に裏返すと、「できた!」の文字が表れる。達成感を味わえる工夫だ。極端に忘れっぽく、集中すると寝食も忘れる。家族の特性を様々な工夫でカバーしている。

■まさか我が子が

 我が子に発達障害の可能性があると知ったのは6年前のことだ。次男の選矢(えりや)さん(19)が通っていた中学校から呼び出された。他人の物を間違えて持ち帰ったり、団体競技でパニックを起こし、学校を飛び出したり。「手に負えない。専門家に相談を」と促された。同じ頃、小学校教師として働き始めた長女の愛さん(32)は、うつと診断された。集中しすぎる傾向があり、毎晩仕事を持ち帰り自室にこもる。体重は激減、半年間の休職を余儀なくされた。

 そんな時、教育委員会のベテラン指導員にもらった発達障害についての冊子を読んで驚いた。4人の子ども全員に当てはまった。「うちを観察して書いたんじゃないかと」。それまで発達障害の本を読んでも、まさか我が子にかかわることとは思いもしなかった。

 二十数年の子育てで不可解だった場面が、走馬灯のようによみがえった。保育園で手を洗い続けて、後ろに列を作った長女。どんなになだめても、激しく夜泣きを続けた長男。けんかの直後に冗談を言うなど、気持ちの切り替えが早過ぎる次女。叱られてもニヤニヤする次男。

 「何でできないんだ!」「分かるまで正座してろ!」と怒鳴り、手を上げたこともあった。「だらしない、矯正しなければと思っていました」

 だが、障害の特性で、時間の感覚がつかみづらいことや感覚が過敏なこと、思ったことを言葉や態度でうまく表現できないことがあると知った。「困っていたのは私でなく、子ども自身だった」。申しわけなさで涙が止まらず、3日間寝られなかった。

 一方、妻の成子(なりこ)さん…

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