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 「大人のひきこもり」を特集したテレビ朝日の番組で、取り上げ方などに問題があったとして、精神科医の斎藤環さんやひきこもり経験者らが4日、東京都内で会見を開き、異議を唱えた。放送倫理・番組向上機構(BPO)や放送各社に声明文を送るという。

 番組は3月21日に放送された「ビートたけしのTVタックル」。親の依頼を受けたひきこもりの支援団体が、当事者が説得に応じない場合に、怒鳴ったりドアを突き破ったりして部屋から出そうとする場面などを紹介した。同様の団体を取り上げた番組は、他局にもあるという。

 こうした手法について、斎藤さんは人権意識や倫理性などが欠如しているとし、「支援という名の暴力。好意的に取り上げる番組がこれ以上あってはならない」と訴えた。ジャーナリストの池上正樹さんは、「映像ありきで勧善懲悪のストーリーに落とし込まれている」と指摘。テレ朝に質問したところ「社会問題の一つとして取り上げ、特定の組織・団体等の宣伝に当たるものではない」との回答があったという。

 さらに、ひきこもり経験者たちが共同声明を発表。「放送で出た発言により、自分の過去・現在を完全否定され、精神的に傷つけられた」などとして、放送各社に当事者の声や有識者の見解を取り上げるよう求めた。(佐藤美鈴)