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 植物のめしべの中に、花粉(オス)を卵細胞と結びつける媚薬(びやく)のような物質があることを、名古屋大学などの研究チームが突き止めた。受精効率を高め、農業分野での応用が期待できる発見だという。8日、米科学誌の電子版に掲載された。

 花粉は、めしべの先端に付着すると、花粉管を伸ばし、根元の胚珠(はいしゅ)の中にある卵細胞に到達して受精する。研究チームは、花粉管が、卵細胞側から出る誘引物質に反応して導かれるメカニズムを解明した。

 トレニアという園芸植物を使い、胚珠の近くに花粉管を活性化させる物質があることを発見。この物質は数種類の糖がつながった糖鎖で、ギリシャ語で「キューピッド」を意味する「アモール」と名付けた。アモールがないと、花粉管が誘引物質に反応せず卵細胞の方向に引き寄せられないことを確認。さらに、アモールの化学合成にも成功した。

 研究チームの東山哲也・名大教授は「種や果実がうまくできない場合、アモールを花粉にふりかけて受精効率を高めることができるようになる可能性がある。今後、他の植物でも確認したい」と話している。(月舘彩子)