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 米財務省は20日、新たな20ドル紙幣の肖像画に、自らも奴隷出身で南北戦争前に南部の奴隷州の黒人を救った黒人女性ハリエット・タブマンを起用すると発表した。米国紙幣に女性の肖像画が使われるのは、1896年まで流通した1ドルの銀兌換(だかん)券に描かれた初代大統領夫人マーサ・ワシントン以来、約120年ぶり。ルー財務長官はタブマンについて、「彼女の驚くべき勇気が民主主義の理想を具現化した」と話した。

 現在の20ドル紙幣の表に描かれている第7代大統領のアンドリュー・ジャクソンは裏側に移る。新10ドル紙幣の裏には、19世紀に女性の選挙権のために活動したルクレシア・モットら5人の女性が、5ドル札の裏には人種差別撤廃を訴えたマーチン・ルーサー・キング牧師らが描かれる。新紙幣のデザインは、女性の参政権が憲法で認められて100周年となる2020年に公表される。

 財務省は昨年、10ドル紙幣の表に描かれている初代財務長官アレクサンダー・ハミルトンに代えて女性を起用すると発表していたが、ハミルトンは「残留」となった。米国ではハミルトンをモデルにしたミュージカルがヒットしており、今年のピュリツァー賞にも選ばれた。(ワシントン=五十嵐大介