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2030 未来をつくろう

 約35年前の発見以来、HIVは世界の公衆衛生における最大の危機の一つだった。近年、エイズ対策の驚くべき進展で、2000年以降、新規感染者数は35%減少し、エイズ関連死は04年をピークに42%減っている。1600万のHIV感染者は救命治療を受けている。専門家はエイズと縁のない世代、そしていつかエイズのない世界をつくることが可能だと信じている。

 しかしより迅速な対応が必要だ。HIV/エイズは健康や経済をむしばみ続ける。アフリカの10~19歳で最大、世界の同世代で2番目の死因であり、HIVの新規感染者は毎年200万人近くに上る。30年までの根絶をうたう国連目標を達成するためにHIV治療への確実なアクセスが必要だ。近年の進展と投資を生かすことによってのみ、次世代がこの伝染病にむしばまれることを防げるのだ。

 課題は山積みだが、私は見事な進歩を見ており、エイズなき世代の実現を強く信じている。政府や国際機関、研究者らによる揺るぎなき献身ぶりに私はいつも鼓舞されている。友人のビルとメリンダもこの分野で強い指導力を発揮してきた。

 「世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)」への多額の拠出を続ける日本は、HIV/エイズとの闘いで指導力を発揮してきた。今年、日本は、議長を務める主要7カ国首脳会議(G7サミット)やアフリカ開発会議(TICAD)、6月のHIV/エイズに関する国連会合で世界をリードする機会を得ている。そこでの決定は地球に住む何百万人の命に影響を与え続けるだろう。

 エイズ根絶は目の前にある。私はかつて、それが可能だと考えたことはなかった。私の最大の希望は、エイズとの闘いにきっぱりと決着をつける日をこの目で見ることだ。

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 英国を代表する歌手。1962年のデビュー後、数多くのヒット曲を発表。米グラミー賞やアカデミー賞など多数受賞。92年にエイズ支援の「エルトン・ジョン・エイズ財団」を設立。同性婚を公表し、LGBT支援者でもある。69歳。

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