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 東京電力福島第一原発の汚染水対策として1~4号機を「氷の壁」で囲う凍土壁について、凍結開始から1カ月半以上経過しても土壌の温度が下がりきらず、計測地点の約1割で凍っていないとみられることが25日、分かった。東電は、特に温度が高い場所は今後も凍らない可能性が高いとして、原子力規制委員会に追加工事をする方針を伝えた。地下水の流れが速く凍りにくくなっていると見て、セメントを流し込むなどの工法を検討している。

 凍土壁は、1~4号機建屋の周囲に1568本の凍結管を地下30メートルまで埋め、零下30度の液体を循環させて土壌を凍らせるもの。建屋に流れ込む地下水を遮断し、新たな高濃度汚染水の発生を抑える狙いがある。これまでに約345億円の国費が投じられた。

 東電は、まず建屋の海側を中心に約820メートルの全面凍結を目指し、3月末に凍らせ始めた。東電によると、凍結管近くの地中の温度は、5月17日時点で、約5800カ所の計測地点の88%しか0度以下になっていない。なかには10度ほどと高いまま推移している地点もあるという。こうした地点は、凍結管を埋める工事の際に目の粗い石が多く確認された場所だといい、石の隙間を地下水が速く流れ、凍りにくいとみられる。氷の壁にいくつもの穴が開いているような状態で、東電はセメントや薬剤を流し込んで塞がりやすくする方針だ。

 東電は5月中旬にも、段階的に進めてきた山側の凍結の割合を倍増させる予定だったが、遅れている。報告を受けた規制委の担当者は「期待していたほど凍土壁の効果が出ていないのであれば、追加工事について東電と意見交換しながら検討していく」としている。(富田洸平)