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 特定の人種や民族を標的に差別をあおる「ヘイトスピーチ」の解消に向けた対策法が3日に施行されたことを受け、警察庁は同日、ヘイトスピーチに伴う違法行為に厳正に対応するよう求める通達を都道府県警に出した。デモの申請時などに、対策法の趣旨に理解を得られるよう主催側への説明に努めることも指示した。

 対策法は、ヘイトスピーチを「国外出身者に対し、差別意識を助長・誘発する目的で、危害を加えることを告知したり、侮辱して排除をあおったりする言動」などと定義し、「相談体制の整備、差別解消のための教育や啓発など施策の実施」を国と地方自治体の責務と定める。しかし、具体的な禁止規定や罰則はなく、警察は対策法でヘイトスピーチを直接取り締まることはできない。

 ただ、他の法律に触れる行為があれば別だ。警察庁によると、右派系の市民団体のデモについては、これまでにも名誉毀損(きそん)や器物損壊、暴行、傷害、公務執行妨害などの容疑で摘発した例があり、昨年は全国で約70件のデモが行われ、6人を摘発したという。

 警察庁は今回の通達で、ヘイトスピーチのデモなどにはこれまで同様厳しく対応するよう改めて指示するとともに、職員に対策法の趣旨を周知徹底するよう求めた。(伊藤和也)