【動画】川崎のヘイトスピーチのデモが中止。渋谷では「共産党を批判する」という名目でデモ行進=杉本康弘、小玉重隆撮影
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 ヘイトスピーチ対策法が施行されて最初の週末の5日午前、排外主義的な団体が川崎市中原区で計画していたデモが、出発直後に中止された。十数人が集まったのに対し、ヘイトデモに反対する市民ら数百人が取り囲んだ。神奈川県警も中止するよう説得した。

 市民らは、デモの出発地とされた同区の中原平和公園で「ヘイトデモ中止」「帰れ」と叫び、路上に座り込んだ。デモ隊は日の丸やプラカードを掲げて10メートルほど進んだところで市民らに阻止され、警察の説得に応じて中止を決めた。

 川崎市でヘイトデモ反対の先頭に立ってきた崔江以子(チェカンイジャ)さん(42)はデモの主催者の男性に歩み寄り、「共に生きよう」と書いた手紙を手渡した。中止後、「法ができたおかげで、私たちの尊厳が守られた。全国で被害に遭っている人たちも、あきらめないで」と涙を流してあいさつした。

 在日コリアンが理事長を務める社会福祉法人が、同市川崎区の桜本地区周辺でのヘイトデモ禁止を申し立てたのに対し、横浜地裁川崎支部は2日、デモ禁止の仮処分決定を出した。また川崎市も、周辺の公園使用を不許可処分とした。これに対し主催団体の男性は場所を変更し、中原平和公園からのデモをネット上で予告。県警がデモのための道路使用を許可したのに対し、デモに反対する川崎の市民グループがツイッターなどで抗議に集まるよう呼びかけていた。

 この日は県警の警察官が多数出動したほか、法務省は法施行を知らせる広報活動を実施。川崎市の職員も現地で状況を確認した。

 5日午後には、東京都渋谷区で「共産党を批判する」という名目で数十人が日の丸を掲げ、デモ行進した。川崎のデモと同じサイトで告知されたことから、ヘイトデモに抗議する市民が多数集まり、警官と路上でもみ合う場面もあった。