マヨネーズ大手キユーピーが、パッケージなどに長年使ってきたキューピー人形のマーク。日本では「全身」でおなじみだが、米国など海外で販売する商品には「顔と両手」が中心のものを使い始めている。地域性や宗教上の理由に配慮するためだという。

 米国の現地法人は5月末、米国向け市販用マヨネーズの製造販売を始めた。パッケージにはおなじみのキューピー人形があしらわれているが、顔と両手ぐらいで、おなかや足までは描かれていない。

 キユーピーによると、日本と同様に全身のものを検討していたが、現地スタッフに「社会情勢や多様な民族、宗教に配慮すべきだ」と言われた。衣服を着ていないことも問題視されたという。そこで別のデザインを社内で示したところ、好印象という意見が多かったため採用した。

 実はこのマークは、2013年にマレーシアで初登場した。その2年前、キユーピーマレーシアが同国でイスラム教の戒律に沿った食品証明「ハラル認証」を更新する際、認証機関に「これは天使ではないか」と指摘されたためだ。

 イスラム教は偶像崇拝を禁じており、同社は「宗教性はなく、天使でも赤ちゃんでも男でも女でもない」との見解を説明、理解を得た。それでも「誤解が生じないとも限らない」と考え直し、新たに顔のマークをつくったという。

 いまのところ欧州やタイ、イスラム教圏のインドネシアでも、日本と同じ全身マークを使っている。キユーピー広報は「できるだけ元のマークを使いたいが、誰にも不快感を与えない形を検討した」としている。(栗林史子)